「何してたの?」


「あっいや、特に…」



なぜだろう。


ここで影山修二と影山修二弟に出くわしたことは何となく言えなかった。


藤くんと影山修二が仲が悪いからという理由もあるけれど、何となく他人にはこういった家の事情は言われたくないかなという気持ちが働いたのだ。



「…………ふ〜ん」



相変わらずの無愛想な藤くんの返事。



「って、藤くんどうしてここに…?」


「てかもう花火始まる時間。もうみんな集まってるから」



私はスマホの電源を押し、時間を確認した。


気がつけば辺りはもう闇に包まれ、花火が上がるのを待ち構えているようかのだった。



「…あんま心配かけんなよ」



そう言って私の頭に手をのせた藤くん。



「……ごめんなさい」