と言って気をきかせた私ってなんて出来る女なのだろう。



私は露店から少し外れた道の大きな石の上に一人腰をかけていた。



あの無法地帯事件後、場所取りは一応完了したので、それぞれ別々に行動することになった。



浜井くんはその直後、後輩の子を見つけたとか何とかでどこかへ行っていたけど。おそらくナンパだろう。最低な奴。



藤くんと佐伯さんは…知らない。



二人で仲良くいる姿をやっぱり見たくなくて結局、麻美さんとケインについてきた。



さっき誰が好きなのって訊かれた時、『藤くん』って言えばよかったかな？



そうすれば、少なくともみんなに変な誤解を生むことはなかった。



みんなの前で気持ちを言う勇気が持てなかった自分のチキンさを呪いたい。



私、何しに今日ここに来たんだろう。