嫌味を感じ取るどころか、まさかの『ついで注文』……ま、いいんですけど。


ほい、とわたしの手に、どこから出してきたんだか500円玉。


そういう気遣い出来るんだ、チェリーおじさんのくせに……。


とりあえず、行き合ったのが主任で大分気持ちが楽になった。


そう、斉木くんはいないから、大丈夫。



……でも、主任と別れ、喫茶スペースが近づくにつれ、またドキドキする。



耳の奥に残る、男の人達の笑い声。

心ない台詞の数々。



足がすくみそうになるけれど、無事、自販機までたどり着いて。


……飲み物の好みが一緒、ってほんのり斉木くんとの共通項が嬉しかったりしたのに、主任も選ぶってことは……単なる万人受けする味だったってことか。

複雑な気持ちでボタンを押す。

二つってことは……ヤバい、両手塞がる。