まるで、見えない糸に引っ張られるように。

なんでなんだろうね。

どうして嫌な予感って、当たっちゃう訳?

廊下を抜けた先のリビングで、あたしは見たくないものを見てしまったの。

嘘。

なんで?

山内君と綺麗な女の子が、抱き合ってた。

彼女は、細い両腕を投げ出すように彼の首に絡めていて、あたしは呆然とそれを見つめた。

体が震えて、スーパーの袋が、シャラリと音を立てた。

反射的に山内君がこっちを向く。

「ナナ……」

驚いた瞳があたしを捉え、その表情がグッと歪んだ。