「彼氏欲しい。」




コンビニ内にあるフードコートで、ウチは呟く。




もちろん、裕也に意識してもらいたくて。





「はぁ?どうした急に。」






「裕也ばっかり彼女いてつまんない〜!!
ウチだって、彼氏欲しいし……。」





裕也はウチの事なんかなんとも思ってない。





……そう思っていた。





「だったら、俺がなってやろーか?」





「え……?」





裕也の言葉で、何もかも飛ぶ。





ビックリしすぎて脳が瀕死。





「えぇ!?
お、幼なじみなんて対象外なんだけどっ!」





予想外の裕也の一言に、自分でも予想外の一言を返す。





「……そーだよな。百花は、俺よりもいい奴ができるよ。きっと。」





「え、えぇ!?そ、そうかな!?」





本当は、裕也と付き合いたい。





でも裕也は、ウチだから彼女になって欲しいなんて訳ないんでしょ?




知ってるよ。





幼なじみって立場は、ヒロインになれる時となれない時がある。




なりたいよ……。