函南君に腕を掴まれて引き戻される。 心臓がびくんと飛び跳ねる。 「お昼、食べるんじゃないの?」 えっ? 「弁当、作ってくれたんでしょ。」 「あ、う…うん。でも、手作りだし無理しなくても…」 「嫌なら誘ったりしないから。」 「……!」 アドレスといい、お弁当といい。 君はなんて、優しいの。 「ありがとう…」 「別に」 その様子を周囲は生暖かい目で見守るのだったーー。