その言葉に、函南君のポーカーフェイスが崩れた。
「…んなの、知ってるよ…!嫌ってくらい………っ…だからって、俺にできることがわかんねぇから。
どうすりゃいいかわからない。」
感情のままに出たような言葉だった。
張り上げるような、それでいて弱々しい声音で吐き出すような声。
うつむいて、綺麗な瞳が黒髪に隠れてしまう。
こういう時、どういう言葉をかければいいかわからない。
口先だけの慰めはどうとも言える。
でも、そんな言葉で、
根深く刻まれた人の苦しみは癒せない。
どんな言葉をかけようとも、その人自身が自分を認められないのなら、本当に苦しみからは解放はされないと思うんだ。