西川君の言い分もわかりますけどっ!
パンケーキも食べたいけど、友達といる時間が大事なんだ。
待ってる時間もおしゃべりしていれば、あっという間に過ぎていっちゃうもんなのだ。
複雑な女心を理解できないようで、西川君は首を傾げるばかり。
「わかってないねー。そんなんだからお前モテないんだよ。」
「黙れ、まじ黙れお前。」
やれやれ、というふうにわざとらしく肩をすくめてみせた坂田君の顔を、西川君がアイアンクローで握り出した。
「いでででで!!お前、手くせぇ!!」
「青春の汗だこの野郎!その鼻に焼き付けろ!」
「お前の手も発酵してんじゃねーの!?」
清花が二人のやりとりが可笑しくて笑う。
「おいーおめぇら真面目にやれー!」
とうとう、先生に注意されてしまった。
「じゃあ、お前好きな奴いんのかよ?」
なお、しつこく坂田君がヒソヒソ声で、西川君に迫る。
「なんだよ、急に!」
西川君が、動揺した。
「んな、くせぇとまじ女子が去ってくぞ?」
「……………………まじ?」
「え、いんの?」
「い、いちゃわりぃかよ。」
「誰だよ?」