そろそろと坂田君の指が示す先には、ポニーテールのちょっと勝気そうな可愛い女の子。
体育祭実行委員は三年の全8クラスから各2名参加しているけれど、一、二年とほとんどクラスに行く事のなかった清花にとって全く見た事もない子だった。
「可愛いねぇ。」
「あー顔は可愛いけど、実際マジこええから。超性格キツイ。」
呑気に感想をいう清花の後ろで、坂田君が戦々恐々としながら囁いた。
「怖くて別れちゃったの?」
「いや…、俺が浮気したせい。」
それは…。
坂田君が間違いなく悪いです。
「いや、俺は浮気した覚えはないんだけど…」
「誤解されちゃったの?」
「そう!」
それは、ちゃんと話し合えば別れずに済んだのでは…
「だってちょっとキスしただけなのに、往復ビンタされたんだぜ!」
それを浮気というのではないでしょうか、坂田君…。
やっぱり坂田君は天然のタラシに間違いないです。