「お母さんに、今までにないくらい怒られて、家族にも心配かけて、
先生にも、すごい謝られた。
…約束破ったから、ダンス教室は辞めさせられちゃった。
けど、それでもいいと思った。
慕ってた先生はどうせ辞めちゃうし。
それにレッスンは辞めても踊ることは止めないから。
だから…
私は今でも、踊ってるよ。」
函南君の黒い瞳が揺れた。
しばらく清花を見つめて。
唇が何かいいたそうに動いたけれど、ふっと息が漏れただけだった。
またしばらくの沈黙。
やがて函南君が迷った末に口を開いた。
「…………芦屋はすげぇな。
俺だって、弓道、好きだけど。
俺は弓道の為にそこまで強くなれねぇー…。」