体は悲鳴を上げるように軋むのに、嘘みたいに、なめらかに動く。
足を踏み出すごとに、ナイフで刺されたみたいにズクズク激痛が走った。
まるで足をもらって、地上のダンスパーティーで足の痛みを堪えながら踊った人魚姫の気持ち。
副作用による、体の痙攣を無理矢理押し殺した。
それでもこの痛みは、私が生きている確かな証。
私には時間がないのかもしれない。
それこそこの命は、もうすぐ人魚姫みたいに泡になって、消えてしまうかもしれない。
私に許された、つかの間の時間。
薬で生かされている体だけど、
それでも今日の奇跡に感謝して。
あらんかぎりの力を出して、踊りきった。
……踊りきって、舞台から降りた途端倒れて病院に運ばれたんだけどね。
あの後は…いろいろ大変だった。