発表会の本番練習。
体調不良を押し殺して、先生と向き合う。
先生は涙ながらに清花の手を握っておれいをいった。
『きよちゃん。本当に本当に、ありがとう。
でも、体の具合が悪くなったら、無理しないでね。』
いつも繰り返されてきた言葉だった。
なのに、
先生のその言葉に、ショックで心臓が凍ったかと思った。
『無理しないでね。』
体調を心配してくれてるのは、嬉しい。
でも…。
私のダンスは期待してくれないの…?
「体調不良のまま、練習してて、
どんどん具合が悪くなるの。
しかも先生がね、無理しないでねって言った言葉がずっと頭に響いて…。
もし、私が舞台で倒れたりしたら、きっと先生も私にダンスをするの辞めさせるんだろうなって思ったら、なんか悲しくなっちゃって…。」