「ダンス発表会当日。
私は家族に黙って家を抜け出したの。」
どうせ、見えない未来なら。
私は好きに生きる。
その日、体調はすごく悪かった。
口に出して語るのも辛いほど、体の不調に苦しんだ。
息をするのも難しいほどの喘鳴におかされた。
咳をすれば、息を吸う。
空気が気道を通るだけで、狭くなった気道が刺激されて、咳が出る。
その、繰り返し…。
いつもは使用することさえ躊躇う強力な薬を、1日に決められた服用制限を遥かに超えて服用して、なんとか、激しい咳を和らげる事はできた。
そうすると、強力な作用の代償として、副作用に苦しむ。
無理に広げられた気道のおかげで、なんとか呼吸と咳は楽になったけれど、
体中の血管が膨れ、体のあちこちが圧迫されるように痛い。
熱が跳ね上がり、38度の高熱に頭がぼうっとして、強烈な吐き気に襲われた。
負担のかかった心臓が痛いくらいにバクバクいっている。