「私はもちろん、行きたくて、先生の最後の晴れ姿を見たくて…、
お母さんに相談してみたんだけど、その日は大事な定期検診があるから、残念だけど……。
発表会は辞退しなさいって…言われたの。」
その頃、再び体調を崩し始めていた。
母はひどく心配し、すぐダンスを辞めさせようとした。
でも、清花は絶対に譲らなかった。
どんなきつい薬でも、ダンスのためならと、喜んで引き受けた。
そんな中で、その検診はすごく大事なもので、前々から予定されていたもの。
今更、変更は不可能と言われてしまった。
発表会に出られるはずだった。
小さい頃から、医者にかかり、家の中にこもりがちで、人前に出ることがなかった。
初めて自分のダンスを、大舞台で見てもらえるチャンス。なのに…。
そして、いぶちゃんのダンス姿を見られる最後の時だっていうのに。