「意味分かんねー。」
函南君の呆れ混じりの冷たい声も無駄にグサグサ刺さるし。
もう、帰りたいぃー……。
鈴村君は清花の情けない顔を見てから、函南君の顔をじろりと睨み、いらついたように鼻から息を漏らした。
「芦屋さん可愛いし、いい子なのになんで唯人みたいなひねくれたヤツが好きなのか、不思議で仕方ないんだけど。なんでか、芦屋さんに聞いてた。」
自己主張のない大人なイメージを持っていた鈴村君が、刺々しい声で言い放ったので、清花はびっくりして体をびくつかせた。
「だから、邪魔しないでくれる。」
鈴村君の明るい茶色の瞳が、函南君の黒い瞳とぶつかった。
鈴村君は明らかに函南君を睨んでいるし、函南君はいつもと変わらない無表情。
涼やかな視線でそれを受け止めている。
空気が…重い……!
坂田君、君はなんで知らん顔なの!
しかも腕に半分、顔を埋めてますけど、肩めっちゃ震えてるし。笑ってるのバレバレですよー!
坂田君のツボがわかりません…。