「おい、大貴顔怖い……もしかしてあれか、妬いてんのか?
男の嫉妬はみっともないぞ~。」



秋田くんはそういうけど、私はそうは思わない。

先輩が妬いてるなんて、そんなはずない。



「うるせえよ。それに、お前にだけは言われたくねえなあ…湊。
会う度に彼女がモテすぎて、告った奴に釘さすのが大変だ。って言ってたのは誰だ?」



大貴先輩がキツく睨みながら言ってたけど、それよりも私は大貴先輩が『嫉妬してない。』って言わなかったのがなにより嬉しかった。




「まあまあ…もうすぐ授業始まりますし」

キーンコーンカーンコーン……



「はぁ……
おい、茉莉。次の授業「ごめんなさい!私最近サボりすぎて、昨日先生から言われたばっかりなんで!」



まあ、全部大貴先輩のせいなんだけど

でも、それでも、一緒にいたい。なんてことは言えず……


後で“お仕置き”されるのだろう。



「じゃあ行くぞ大貴。如月、またな」


「またねー」



さっきから思ってたけど、あの2人って兄弟みたいだな~

従兄弟だから近いけど…




「あれ?大貴さん来てたの?で、あの引っ張ってる人って秋田くん?」


「あ、美咲おかえりー

そうそう、秋田くんここだったんだって~サナちゃんもなんだけど…知ってた?」



戻ってきた美咲が大事そうに持ってるのをみる限り、手にあるイチゴミルクは翔さんからもらったとみて間違いないだろうなあ……

本当美咲には甘いね。あの人。



「たまに、見かけてたから知ってたには知ってたけど…
茉莉は廊下とか全然出ないもんね~」



とりあえず最後の一言はスルーしておこう…



「美咲、サナちゃんと話してなかったの?さっき来てたのに…
ちなみに、大貴先輩と秋田くんは従兄弟だったらしい。」


「え~じゃあ、もう少し早く戻ってこれば良かった~
でも、翔ちゃんのイチゴミルクもらえたし…でも、サナちゃんとお話したかったな」