あれから1週間がたち、俺はやっと体も治って、外に出れるようになった


本当はアイツの所に帰らなければいけないけれど、飯田先生が誤魔化してくれているらしい   


「隼人、ここに座って?」


そう言って、苗木は白いベンチをトントンと叩く


「…………で、何?」


ベンチは少し小さくて、苗木との距離が凄く近い


「あのね、隼人のお父さんの話をしたいの」


「…………あぁ、分かってる」


苗木は本気で、俺を助けようとしてくれているから


「私、許せないの。隼人がどんなことをされていたのかは…………私、知ってるわ。飯田先生が教えてくれたの。ごめんなさい隼人」


「大丈夫、だよ」


本当は、苗木に知って欲しくなかった


苗木は綺麗だから、きっと俺がアイツにされてきた事は、苗木は一生知らなくていいものだったから


それを知った時、苗木が悲しむって分かっていたから