坂井さんが持っていたジュースが、俺の頭に降りかかった
真っ赤なジュースが俺の服を染めていく
「どうしたんで……あぁ、一体何をしたんだい?………大丈夫かい隼人君」
「ええ、大丈夫ですよ………」
「も、申し訳ありません楠原さん」
「坂井さん……謝るなら隼人君に謝って下さい………」
騒ぎを聞いて駆けつけてくれた楠原さんが少し怒った様な声色で注意し、坂井さんがまた頭を下げた
「隼人君こちらへ来なさい……変わりのスーツを用意させよう」
「いえ……そんな、「大丈夫、君のお父さんには内緒にしておく………それに、そのままでは私が叱られてしまうからね」」
申し訳なさそうに、苦笑いをする楠原さん
ここでまた断ったら、逆に失礼だし………アイツに何を言われるかわからない
「では…………お願いします」
「良かった、君のお父さんは外にいるから、早く着替えを済ませよう」
そう言って、楠原さんはまた笑った。よく、笑う人だと思った