「隼人様……下でお待ちになっていらっしゃるので急ぎましょ「嫌だ……」隼人様……?」



「嫌だ……あんな、所に、行きた、く……ない」



もう十分だろ?


何年間も暗闇の中で過ごして……やっと出会えたんだ


光と呼べる人に



「っ!!」

 

病室のドアを力任せに開く



「隼人様っ!」



廊下を病院のスリッパで全速力で走る




「嫌だ……はぁ……はぁッ、は…嫌だ」




彼女に会えたから、会ったせいで。俺はどうにかなってしまったんだ



今まで押し殺してきた感情が溢れだして来たんだ




苦しみ

悲しみ

怒り

諦め




何一つ良い感情なんて無かった