「ふふっ、てるてる坊主のおかげかしら?」


「君は子供っぽいんだね」


「もう、隼人!君……じゃなくて苗木って呼んでよ……さっきも君だったわよ」


「あぁ、分かってるよ苗木」



苗木はきっと自分の名前が大好きなんだろう…………俺と違って



「苗木は…………いや、いい」


「どうしたの?気になるわ」


「…………どうして苗木って名前なの?」


「名前の由来?そうね………なんて説明したらいいのかしら」



うーん……と考えこむ彼女。大雑把に説明してくれても良かったのに……



「苗木を土に植えると、立派な木が育つでしょ?こんな風に………」
 


そう言いながら、苗木は今まで描いていた木を静かに撫でる



「ここね、私が産まれた所でもあるのよ?それで、この木みたいに健康で真っ直ぐに生きられる様に………って、つけてくれたのよ」


「そう………いい両親だね」