慶side


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俺と舞が話してると、数名の男子が舞に話しかけた。


「ねぇもしかして南中の高塚舞ちゃん?」


「え、そうですけど…」


舞が恐る恐る答える。


「そっちは副島慶?」


「そうだけど」


何で俺や舞の名前知ってんだこいつら。


「ふーーん、幼なじみなんだってね、付き合ってんの?」


何その情報。


どこから漏れるの?


「付き合ってないし!!」


俺はそいつらを睨みつけながら言う。


「そんな睨むなって。俺、金崎龍。仲良くしよーぜ」


(きんざき りゅう)


「舞ちゃんの後ろの席なんだー♪よろしくね」


金崎はそう言って舞の後ろに座る。


「え、あ、よろしく」


舞も金崎に微笑んで答える。


そんな舞を見てイラっとした。


「かわいーよなぁーー」


金崎以外の男子が舞を見て言う。


舞には聞こえてないみたいだ。


そう、舞は人形のように綺麗だ。


小学校、中学校で1番もててた。


顔だけじゃなく、性格も明るく優しいから男子の憧れの存在だった。


もちろん、俺も。


舞のことが好きなわけで。


こういう状況を見ると腹が立ってしょうがない。


「慶?どうしたの?」


舞が俺の顔を覗き込む。


好きだ。なんて言えるはずがない。


俺らは幼なじみだから。


この関係を崩せない。


幼なじみって近いようで遠い存在。