「…舞、嗅がないでよ」



慶が言う


あ、また赤くなってる。


自転車こいでるから正面の顔は見えないけど、耳が赤いからバレバレ。


「だって慶の匂い落ち着くんだもん」


あたしが言うと悠がポツリと言った。


「変態か」


「変態!?そんなんじゃないわよ!!」


あたしは悠に反論するが、その反論は蘭の言葉で抑えられてしまう。


「舞、子供の時は許されるけど今の年になると変態よ?」


「そーだ、変態ーー!!!」


慶が自転車をわざと揺らしながら言った。


「きゃあ!ちょっと慶!揺らさないでよ!!」


「この辺の道くねくねしてるからさぁ〜」


「一本道よ!!」


「じゃあ誰かさんが重くてまっすぐ進まないのかなぁ〜」


あたしは後ろから慶の首を締める。


「舞!首締めない!!慶!挑発しない!!」


蘭に怒られて無言で自転車をこぐ慶。


あたしも慶に腕をまわしなおした。




学校についた。