自分の熱を理解した途端、具合の悪さが増した気がする。


少し横になっておこう。





「はっ、はっ、はぁ…」

おかしい。

体調が良くなるどころか悪くなっている気がする。

熱を測ってみると40度…。

あがってるじゃねーか、くっそ。


「…ん、…はぁ、はぁ」

呼吸が乱れる。

苦しい


助けてほしい。


…舞。


俺は心の中で舞を呼んだ。


「…ちょっと、大丈夫?」


人形のように綺麗な女の子が俺の視界に映った。


「ま、舞…?なんで、」


「慶のお母さんに頼まれたの。慶が熱出したから看病してあげてほしいって。…まぁきたのは2、3分前だったけど。」


「…ま、い…俺…」


さっきのこと謝ろうとした。


ブスって言ったことも全部謝ろうとした。


それを舞は俺の額に冷たいものを貼り付け、言った。


「いいから!病人は大人しく寝る!舞おかゆつくったくるからね!」


そうして舞はキッチンへ向かった。


額には、熱さまシートが貼られていた。