最後に真咲になったのは、交通事故の日だった。


その日から真咲は心の中から出てこなくなってしまった。



「……そうか。でも莉奈は渡さない」



兄貴も莉奈が好きな事くらい知ってるし…2人が両思いなのも知ってる。



「でも…俺は振られるんだけどな。莉奈好きな人いるから…」



兄貴が窓の外を眺めながら笑った。