「ちょっと、失礼しますね?奈月、咲花きて!」




ん?なんだろう。




言われるがままについていくと、




「いい?2人とも、これから見せつけるの!あの2人に!」




「えぇぇぇぇぇぇぇぇええ!?」




春馬はぽかーんとしている。




そりゃそうなるよ!




「これがチャンスよ!咲花!西園君を振り向かせるの!ヤキモチ妬かせるよ!」




「うん!!」




全ては振り向いてもらうため。




私、星下咲花。




全身全霊で頑張りますっ!




「そうと決まったら行こうか、咲花。」




その瞬間春馬に手を握られた。




ドキッ。




不意打ちでやっちゃダメだよ!




いきなり手を握るとかさ、心臓がもたないよ!




ガチャ。




「はい、あーん!」




もう、この光景やだよ…。




好きな人が他の人とアーンしてるなんて…。




「咲花、その卵焼きくれよ!」




「え?いいけど?」




「はいどうぞ。」




卵焼きの入った容器を渡すと春馬は




「食べさせて」




と、私の耳元で囁いた。




「は、はい。」




手に力が入らない。