【秋side】

さっきから俺はものすごく不機嫌だ。



この隣にいる女のせいで。



さっきから腕を絡めてくるし、甘ったるい声で話しかけてくる。



つい数分前までは咲花と話していたのに。



最悪だ。



「ねぇ、今最悪って思ってるでしょ?」



「は?」



まさか言い当てられるなんて、思ってもなかった。



「秋君ってさぁ?星下さんがすきなのぉ?」



気持ち悪い。



笑顔なのに声が低いって、怒ってるってことか?



ならきっぱり言って、早く終わらせよう。



「あぁ、好きだけど?」



「ふーん、わたしもぉ、秋君がすきっていったら?」



「普通にフるけど?そんな…何でもねぇ。」



そんな最低なことはしない。



そういいかけたけど、もうすでに最低なことをした俺には言えないセリフ。