俺は言葉を失った。


正確には、声が出せなかった。


俺の中の全てが音を立てて崩れる音がした。


寂しいよりも、虚しい。


名残惜しいよりも、悔しい。


すぐにおもいをつたえればよかった。


そう、思った。


「…どこに…?」


かすかに出る声で俺が聞いた。


「福岡だ。」


あぁ。


終わった。


何もかも。全て。


この想いを誰にぶつければいいのかわからなくて、心の中に閉じ込めて、固く、固く鍵をかけた。


「…そっか!たのしみだな。」