『引っ越し』

私は今1人で電車に乗っている。
私の両親は忙しく長い冬の間おばあちゃんの家がある『姿町』で過ごすことになっているのだ。
お母さんが
「降りる駅の名前は戻湖駅よ。特徴は…とても綺麗な湖があるわ。湖が見えてアナウンスが聞こえたらちゃんと降りるのよ」
って教えてくれた。だから私はずっと電車の窓から景色をみていた。するといきなり景色が途切れた。
「トンネルに入っちゃった」
少しふてくされたがすぐに抜けて景色は町から森に変わっていた。
ずーっと緑しかなかったがようやく青色が見えてきた。
「綺麗な湖…これが戻湖?」
アナウンスを聞き逃しそうになるほど、とても綺麗だった。

電車を降りて森の中を進む。お母さんはレンガの道にそっていけばおばあちゃんの家につく。でも森を抜けるのは遅くなってはいけない。と言っていた。私は少しかけ足でおばあちゃんの家に向かった。


続く