ベッドの足元に、私と同じくらいの歳の男の子が微笑んで立っている。

いつ来たのだろう。

滅多に人の来ない、この部屋に。

「君、名前は?」

一見、少女にも見える顔。

ーーーかっこいいなぁ。

ぼんやりと、そんなことを思った。

「……叶恋」

「叶恋」

人懐こいその声に、少し懐かしさを感じた。

彼はベッドに腰掛けた。

「名前は?」

「僕?」

「うん」

「拓人」

拓人はにっこりと笑った。

胸がきゅんと締め付けられた。