ベッドの足元に、私と同じくらいの歳の男の子が微笑んで立っている。
いつ来たのだろう。
滅多に人の来ない、この部屋に。
「君、名前は?」
一見、少女にも見える顔。
ーーーかっこいいなぁ。
ぼんやりと、そんなことを思った。
「……叶恋」
「叶恋」
人懐こいその声に、少し懐かしさを感じた。
彼はベッドに腰掛けた。
「名前は?」
「僕?」
「うん」
「拓人」
拓人はにっこりと笑った。
胸がきゅんと締め付けられた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…