「はい・・・」


これは勉強・・・
自分のため・・・
全て自分自身に言い聞かせた。



塾の教卓は教室の端から端まで
引っ付けてある。


前に出るときは教卓と壁の
狭い隙間を通っていく。


当然ながら授業を受けている
生徒からは、先生の下にある手など
見えない。



私の式を書く右手の反対、
左側の手は下ろしたまま。



黒板だけを見て自分の知識を
頼りにして解いた。



その時、左手に何かを感じた。