日曜日。


準備万端で悠希に迎えにきてもらい、あたしは車に乗り込んだ。


車内から外を見渡すと見事な晴天で、空が真っ青だ。


海に向け準備して詰め込んだ荷物は片手で軽く持ちがある程度の少量で、タオルや財布の「近所へ買い物ですか?」レベルの重さ。


日焼け止めさえあればいいんだ。


焼けたくない。


海に着くまで車内。


悠希とあたしは変なテンションで盛り上がり、二人とも興奮気味だった。


「脱水起こしたらやべぇじゃん。コンビニで飲み物買ってこうよ」


「冷やす氷も必要だな。なぁんてクーラーボックスは持ってきてまぁあす」


変に心配性のあたしに悠希も負けてない。


「海久しぶり~さりげ楽しみ~」


「だから行こうって言ったんだよ!」


「うるせぇ!!」


「なんだよお前は。ははっ!歩、口わりぃ~」


気分のいい悠希はうきうき口調で話す。


「口が悪いって知ってて付き合ってんのは誰だよ」


「俺だよ!」


「終わってんなお前」


「俺は気の強い女が好きだからな。でも歩みたいなのは強すぎかなぁ~あて!」


「何この野郎!」


運転中の悠希めがけ平手打ちで肩をバシバシ叩きつける。


「いてぇ~ったくなんつう女だ」
「こういう女だ!面倒くせぇ!海に捨てちまえ!」


「だな」


「いやん♪」


「うそうそ」


二人の冗談まじりのアホなやりとりは海に行くまでエンドレスに続いた。


きっと海に行く興奮が楽しい会話に繋げてくれたんだろう。