ある夏の日、男友達3人と家でアイスを食っていたときのこと。
「なぁ、ゆうと。」
「んー?」
棒から落ちないようにアイスを食べるのって、結構難しい。
俺たちは無言でアイスを食べていた。
片山(かたやま)が、やけに真剣な顔をしてこちらを見た。
「お前、あいつのこと好きやったりする?」
「あいつって…明日香?」
「うん」
先にアイスを食べ終えた伸也(しんや)が、身を乗り出した。
「それ俺も気になっとった!」
なんとなく顔が熱くなる。
(好きってコイってやつか!?そんなんじゃねぇよ…あいつはちがくて…)
一気に頭の中が混乱する。
「俺が明日香を?ないないない!あいつは妹みたいなもんやって」
「そーなん?」
「おー」
アイスの残りを一気に口にほおばる。
頭がじぃんとした。
「そしたらさ…」
向かい合っていた片山も、残っていた少しの塊を口に含んだ。
「オレが、告ってもいいよな?」
「おい片山!お前抜け駆けはずりーぞ!」
「そーだそーだ!」
途端に2人が騒ぎだして、かなり驚いた。
「は…?」
「ゆうと知んねぇの?あいつこの学校でそーとー人気だぞ」
ニヤニヤ笑いで煉(れん)が言う。
明日香ちゃん取られていいのかよ、って、言われてる気がした。
口を開こうとしたとたん、片山が大声で言った。
「いやオレは本気なんだよ!見てるだけのやつらとは違うんやけー!」
「ふぅん…」