「お…おいちゃん!クッキー…あげる……おばちゃんと、ケンカ?あたしたちのせい?」
アスカが目をうるうるさせながらおじちゃんを見つめると、
おじちゃんは、びっくりした顔をした。
「ちょ…ちょっと、凜!
なにこの美少女!と、美男子!」
ん?なんだそれ?ぼくたちに言ったの?
「うるさいっ!」
「おばちゃん、あたしたちのせい…?」
アスカの涙がひとすじこぼれたので、ぼくはそれを指でぬぐった。
「アスカ。泣くな。」
「ううん。明日香ちゃんたちのせいじゃないよ。
ただうちのダンナが馬鹿なだけっ」
おばちゃんはおじちゃんのお尻をけった。
(いたそうだった…)
アスカはさいごまで、二人はケンカしているんだと泣いていたけど、
ぼくはそう思わない。
だって帰るとき、げんかんがしまるしゅんかん、見てしまったんだ。
おばちゃんがおじちゃんに、ちゅーしているところを。