書きたての手紙に目を通すそういちを、気まずく見守っていると…
「うっ…」
「!?」
そういちの目は少し赤く、潤んでいた。
「一方通行かと思ってたよ…」
「違うよ……ごめん。」
そういちのまっすぐな思いに、私の目も熱くなる。
そういちはそんな私の目元を、そんな大きな手でどうやったら、と思うほど優しい手つきで拭った。
「ううん。」
そして私の手をつかみ、立たせる。
「大好きだ。凜」
「私も、よ。」
抱きしめられることが、恥ずかしくないと言ったら嘘だ。
というか、むちゃくちゃ恥ずかしい。教室だし。
でも――。
そっとそういちの体と距離をおき、目を見つめる。
そして、ちょっと背伸びをしてそういちの唇に自分のそれを触れさせた。
「私も、そーいちが好き。」
唇が離れたとき、そういちは今までで一番いい顔で笑っていた。