目を開けると、ユウがいた。
こっちを真剣な目で見つめている。

「あ…ユウがいる…じゃあ夢かぁ…嬉しい夢……」

「――バカッ!」

「え…?」


よく周りを見ると、
消毒の臭いに真っ白な天井。
どうやら私は病院にいるらしかった。


「なんで…?」

「お前…すごい熱だったんだ。なのに無理して働いて。バカだ…本当に……」

自分が苦しいみたいに、眉間にしわを寄せるユウ。

私はそっと腕を伸ばし、ベッドの側に座るユウの眉間をなでる。

「しわができちゃう…」

「心配させんな、バカ。」

その手を取り、ユウは手の甲に音もなく口づけた。


「……!」

「バカだよ本当………」


でも、確かに私は……バカだ。
ユウみたいに働くのは、きついだろうけど、でも、頑張れば私にも出来るだろうと思った。


だけど……

「私…私……」

「明日香?」

「なにもユウに追いつけん。ユウを支えたいのに、こんなんじゃ、こんなんじゃだめや…」

「明日香……」