「お前ムカつく……」 郁也がボソリとそう言う。 「ごめん…」 やっぱ一緒に帰るなんてしないほうがよかったのかも。 冷たい雰囲気は感じ取れないけど、ムカつかれてるし。 だけどこんな柔らかい雰囲気の郁也、最近見てなかったからチャンスかも。 「郁也は……どうやったら私のこと好きになってくれるの?」 俯きながらそう言うと郁也は舌打ちをした。 …っ、やっぱ聞かないほうがよかったかも。