「それは……なんで？」



怒られると思ってたけど、意外と優しい声色の郁也。



「なんで、嘘ついた？」




久しぶりの優しい声に懐かしさを感じる。



「郁也が…困ってたように見えたから。女子に誘われて。

でも一番の理由は女子の言う通り、郁也をひとりじめしたかっただけなのかもしれない。」




本心を言うと郁也は自分の口元を抑えた。



「なにそれ……マジずりぃよ……」




「え？どうかした……？」




いつもと雰囲気が違う郁也。



いや、雰囲気が違うというより、戻った？



今の郁也からは冷たさが全く感じられない。