用事ないか思い出しても、基本暇だし。
すると、由奈が俺の制服の袖をつかんだ。
そして申し訳なさそうに見上げてくる。
…っ、上目遣いとかマジずりぃよ…
「は?なんなの?てか触んな。」
平静を装おうと、いつもよりひどい口調で言うと由奈は少し傷ついたような顔をする。
「えっと…その、郁也のお母さんが……今日は早く帰って来いって……」
由奈の声が震えている。
これは女たちの冷たい視線と、俺のせいだろう。
ってか、母さんが?今日なんかあったっけ?
そういえば、母さん、前に合コン行った時、由奈が母さんに俺を庇ってくれたって言ってたな。