「そういうの…ズルいから。」




私がそう言うと郁也は私の頭を撫でる。




「もう、おまえって呼ばないよ。名前で呼んでやる。」




最初は幼なじみだった私たち。





「なっ、私の調子が狂っちゃうじゃん…!」




距離ができたりもしたし、


たくさんすれ違ったりもした。




「おー、狂え狂え。俺が優しく介護してやるよ。」




だから今、隣にいられるのは、



「そういうのはいらないから!」




とっても幸せなことかもしれない。








【END】