「まぁ、俺も人に言えるほどじゃねぇけど……」




郁也は石田くんの目の前に立つとそう言ってから胸ぐらをつかんだ。




「……好きな奴を泣かせるとか最低だろ。好きなら笑顔にしろ。笑顔に出来ねぇんなら諦めろ。」




どす低い声の郁也に私だけではなく石田くんも少しビビる。




「……殴らねぇのかよ。」




石田くんは郁也が胸ぐらを離してからそういう。




「あ?テメェなんかに殴る価値なんてあんのかよ。」




郁也が冷たく言い放つと石田くんはその場で座り込んだ。