「バーカ。そんな悲しい顔すんなって。それに、俺がこのまま諦めると思う?アンタのこと。」




「え?」



すると彼は私を優しく抱きしめた。




「絶対いつかアンタのこと探し出す。そしてその好きな奴から奪ってやる。」




ドキンと胸が鳴る。




「だからそれまで待ってて。いや、待たなくてもいいからとりあえず忘れてよ。

こんな俺じゃなくて新しく出会った男らしい俺でアンタを惚れさせるから。」




じゃあ……また同じことは繰り返さないってこと?



安堵の息をつくと彼は私の耳元で囁いた。




「また会おうね、妖精さん。」