「だって……気まずくなりたくないもん。郁也ともう、離れたくないもん。」




俯きながらそう言うと郁也は屋上の壁をダンっと蹴った。




「なんだよそれ。いじけてた俺がガキみてぇで恥ずいじゃん。」




郁也はそう言って自分の髪をクシャリとした。




「であの、許してくれる?」



「許すも何も、俺がガキだっただけだ。悪りぃな。」



ため息をつく郁也。




「ううんっ、怒ってなくてよかった…」




すると郁也は私の髪の毛先を触った。