「じゃあな、俺の幼なじみ。」
そう言って去っていく郁也。
も、もしかして郁也が不機嫌な理由……私が郁也を「幼なじみ」って言ったから?
顔が青ざめる。
「い、郁也……っ!」
私のその声は教室の雑音によってかきけされる。
追いかけようにも、男子たちがいるからこの場を離れられない。
「えっと、なんかまずいことしちゃったかな。」
男子が気まずそうにポリポリと頬をかく。
「………」
郁也が出て行ったところを見つめてると男子たちは少し困ったように笑った。
「なんかごめんね、俺らもう行くわ。」
そうして男子たちも去っていった。