「あぁ、何年もだよ……」
「そ、そっか……」
やばいやばいやばい。
顔が熱くて前が向けない。
「おまえはずっと俺を幼なじみとしか見てなかったけどな。」
「っ、だって幼なじみじゃん!」
勢いよく顔を上げると郁也は優しい瞳をしていた。
トクンー
胸がなった。
「だから俺は何度も恨んだよ。幼なじみであることを。ま、おまえが鈍感だから余計にな。」
郁也は意地悪っぽくため息をつく。
「ご、ごめんって!でも、私の初恋郁也だよ?」
「は?佐藤じゃねーの?」
郁也は少し面白くなさそうに言う。
違うよ、郁也。
私の初恋は紛れもなく郁也なんだからーー