「郁也、お客様だよ〜」 「なんスか、先輩…って、あ…」 郁也は私を見たとたん、固まる。 「…なんでお前がこんなとこにいるんだよ。」 冷たい声色でそう言われ私も固まってしまう。 すると店員さんが助け舟出してくれた。 「財布をわざわざ届けに来てくれたんだよ、感謝しろよ。」 「……サンキュ。で、帰れよ。」 「う、うん……」 財布を渡し、帰ろうと背を向けると店員さんに腕をつかまれる。