郁也の瞳は驚くほど優しくて、だけどどこか悔しそうで切なげで。




「傷つかないもん。郁也がいてくれたら私は傷つかないもん…っ!」




私がそう言うと郁也はフッと笑った。




「んなこと、なんでわかるんだよ。俺と居るせいでいじめられたり

……好きなやつに振られるかもしんねぇだろ。」




好きな、やつ……?



「私、好きな人なんて…っ……」



「……無理すんな。ってかおまえは帰れ。」



郁也に強制的に部屋に戻らされる。



そして、


ガシャン


無機質な音で窓が閉められたのだった。