このままじゃ窓が閉まっちゃう……




「あっ、郁也のお母さんこんばんは!」



郁也のお母さんが郁也の部屋に入ってきたかのようにそう言うと一瞬郁也の力が緩む。



その一瞬で私は郁也の窓を全開にし、郁也の部屋へと窓をまたいで侵入した。




なかなか頑張ったと思う、私。





「は…おまえ、出てけよ。」




「……やだっ!」



ギュッと郁也の手をつかむ。




「離せって……」




「おねがい。仲直りして…私、郁也と話したい。」



涙をこらえながら言うと郁也がため息をついた。




「…それでまたおまえが傷つくんだろ。だったら俺は関わりたくない。」



私のために言ってくれてるのだろう。