俺は一瞬何を言われたのか分からなかった。
そんな六花を置いてけぼりにして彼女は話す。
「君のさっきの仲間探しに私は共感したんだよ。
そして気に入った。
丁度私も君の言う“仲間”とやらを探していてね。
どうだい? 私と仲間になるというのは
それとも、一応女子の部類に入る私は嫌かい?」
嫌ではなかった。
けれど彼女が本当に自分が求めていた“仲間”なりえるのかは分からない。
だから、
「友達でよろしく」
彼女は目を見張ったかと思うと、口に手を当てて盛大に笑いだした。
「ぷっ……ハハハハハッ、その答えはまるで私が告白でもしたみたいだな、ハハハ」
しばらく笑っていた彼女は笑いをおさめ、こちらに近づいてきた。
彼女は、六花の隣に並ぶと右手を差し出してきた。
その右手は雨で濡れていたが、六花は特に気にせず右手を差し、その手を握り返した。
「よろしく、友達くん?」
天は首を軽く傾げてそう言った。
「六花でいいよ」
「そうか、なら私も天(そら)でいいよ、六花」
「よろしく、天」