「分かった」
「おぉ! やっと分かってくれたか」
「うん、つまりぼっちなんだな」
六花は得心顔で頷く。
「失敬な。ぼっちとは仲間にしてほしいのにそのグループ、ひいてはクラスから受け入れてもらえないヤツのことを言うのさ。
だが、私は違う! 私は自ら一人を選んでいるのさ!」
「ぼっちの言い訳だ」
「はぁ~、だから違うと言っているだろう?
そう言う君はどうなんだい?」
「俺?」
彼女は大仰なため息を着いたかとおもうと、そう訊いてきた。
「そう。君はここに友達と一緒にサボる訳でもなく、一人で来た。
なら、君の方がよっぽどぼっちなんじゃないのかい?」
「俺は……」
六花は二の句が告げなかった。
彼女は六花を若干蔑むような口調で言ってきた。
いや、ただ六花の心が凍ったためにそう皮肉っぽく聞こえたのかもしれない。
だが、それよりも六花は驚きが勝っていた。
彼女は先程から六花の心を覗いたように六花の核心を突いてくる。
六花は彼女の言う通り、クラスメイトからすれば『ぼっち』と見られている。
だが、彼女が言ったことは半分間違いで半分正解だ。