今の六花表情は見事なアホ面をしている。
まさかそんな返しをされるとは思わなかったのだ。
しばらく六花は金縛りにあったように動けなかったが、ピチャンと雫が落ちた音で我に返った。
「いやいやいや、風邪引くからこっちに来いよ」
六花はそう言ったのだが、
「いやいやいや、君の方がこっちへ来なよ。
君、雨に濡れに来たんじゃないのかい?」
「え?」
「何か悩み事なんかがあったから、わざわざ授業をサボってまでここに来る理由があるかい?
それもこんなどしゃぶりの雨の日に」
六花は驚きで目を見開いた。
それは、彼女が言ったことは全てその通りだったからだ。